大きいだけで悪者にされる。だからこそ、大型犬のしつけって大事だと思う。
「怖くないよ〜、優しいんですよ〜」って笑って話しかけても、
遠巻きにこっちを見ながら、距離を取られる。
大型犬と暮らしてると、こんなシーンは日常茶飯事。
俺たちにとっては大切な家族でも、
見た目やサイズだけで“危険そう”って判断される現実がある。
でも、それってある意味しょうがないとも思ってる。
なにかあったときに周囲に与える影響が小型犬とは違う。
だからこそ、飼い主側がどう付き合っているかっていう日々の姿勢が見られてるんだと思う。
しつけは「信頼関係の積み重ね」
しつけって聞くと、「犬を従わせる」っていうイメージが強いけど、
俺にとってはもっと人間的なもんだと思ってる。
ちゃんと目を見て、声に反応して、お互いの呼吸を感じてる。
それができるようになると、
犬も自然と落ち着くし、こっちも余裕が生まれる。
「おいで」って言ったらちゃんと来る。
「待て」って言えばその場で止まる。
横について歩ける。
…これ、全部コマンドじゃなくて「信頼」があるから成り立つ行動だと思ってる。

大型犬は“目立つ”からこそ、しつけがそのまま印象になる
俺は虎次と伊邪那と暮らしてるけど、
この子たちをちゃんと「世間の中で安心される存在」にしたいってずっと思ってる。
サイズがデカいだけで目立つから、
たとえばちょっと引っ張ったり、少し吠えたりするだけで、
「危ない!」って反応されることがある。
でも、ちゃんと落ち着いて横を歩いてる姿を見ると、
「お利口さんですね」とか、「かっこいい犬ですね」って言ってもらえることもある。
その違いは、日々のしつけの積み重ねだと思う。
どんな犬も完璧じゃないけど、
飼い主がどう関わってるかっていうのは、
ちゃんと周囲にも伝わる。
怒鳴るでも叩くでもなく、“伝える”ことが大事
しつけ=厳しさって考えてる人もいるかもしれない。
でも、俺が思うのは逆で、しつけって「伝える努力」だと思ってる。
言葉が通じないからこそ、毎日のリズムとか、表情、声のトーン、体の動き。
そういう全部を使って「安心できる関係」を築いていく。
最初はうまくいかないことの方が多い。
虎次だって最初は全然アイコンタクトも取れなかったし、
イザナもまだまだ若くて、テンション上がりやすいところもある。
でも、毎日しっかり向き合って、
ダメなことはダメって伝えて、
うまくできたら思いっきり褒める。
その繰り返しの中で、ちょっとずつ信頼が育っていく。
もちろん、全部を優しく伝えるだけじゃ済まないこともある。
危ないことをしたり、人に迷惑をかけるようなことをしたときは、
俺はしっかり、時にはかなり厳しく叱る。
大型犬の一瞬の判断ミスが、
取り返しのつかない事態になることだってある。
だから「ダメなものはダメ」と、一発で伝える厳しさも必要だと思ってる。
その代わり、普段はしっかり寄り添うし、
信じてるからこそ叱る。
甘やかすことと、愛情を注ぐことは違う。
叱るときに怖がらせたいわけじゃない。
本気で伝えたいだけ。
その真剣さは、きっと伝わってると思う。
しつけは、犬のためでもあり、自分のためでもある
しつけって、犬を「いい子」にするためだけじゃない。
一緒にいる飼い主自身も、心に余裕を持てるようになる。
・落ち着いて散歩できる
・人混みでも安心できる
・急に何かがあっても冷静に対応できる
これって、犬が賢いからじゃなくて、
飼い主と犬の間に「信頼」があるからできること。
それに、大型犬って周囲の見る目が厳しい分、
ちゃんとした振る舞いをしてると逆にめちゃくちゃかっこよく映る。
「ちゃんと育ててるんですね」
「しつけが行き届いてて羨ましいです」
そんな声をかけられると、こっちも嬉しいし、
何より「この子たちが誇れる存在」になってることが一番の喜びになる。
大型犬と暮らすって、簡単なことじゃない。
でも、そのぶん深い絆が生まれるし、
一緒にいること自体が日々の誇りになってくる。
だからこそ、俺はしつけを「作業」じゃなく「対話」だと思ってる。
一緒に暮らす仲間として。
ちゃんと通じ合える関係を目指して。
今日も明日も、俺はこの子たちと向き合っていく。

――諒史(GARM JAPAN)