吠える、噛む、引っ張る。
それ、犬が悪いんじゃないかもしれない。
「うちの犬、どうしてこんなに手がかかるんだろう」
「他の子みたいに、静かに歩いてくれたらいいのに」
そんなふうに感じたこと、正直俺にもあった。
でも今は思う。
**それ、本当に“犬のせい”なのか?**って。
⸻
犬の行動には、全部意味がある
犬って、言葉じゃなくて行動で伝える生き物だ。
吠える、噛む、引っ張る――全部、何かの「サイン」なんだよね。
たとえば吠えるのは、不安や警戒の表れかもしれない。
噛むのは、自分の身を守るためか、遊びのつもりかもしれない。
引っ張るのは、「ここ行きたい」っていう純粋な主張かも。

でも人間って、それを**“問題行動”って一言で片付けがち**。
原因に目を向けず、結果だけを叱っても、犬からしたら「なんで怒られてるか分からない」ってなる。
そりゃ余計に不安になるし、もっとコントロールできなくなる。
⸻
伝わってないなら、伝え方を変える
「こっちはちゃんと教えてるつもりなんだけどな」
って思っても、伝わってないなら伝え方がズレてる可能性が高い。
たとえば「ダメ」って言っても、声が優しすぎたり、言い方に一貫性がなかったら、犬には響かない。
逆に、必要以上に怒鳴ったりすると、信頼が崩れて余計に言うことを聞かなくなる。
大事なのは、どう伝わってるかを意識すること。
こっちが感情で接すれば、犬も感情で返してくる。
でも、落ち着いて、わかりやすく伝えると、それをちゃんと感じ取ってくれる。
⸻
信頼関係って、日常の積み重ねでしか作れない
犬の信頼って、リード持った時にわかる。
一緒に歩いてて、ふと目が合ったとき、
「お前の横にいるのが一番安心だ」っていう顔をしてくれるかどうか。
俺が思う“しつけ”ってのは、そういう信頼を積み上げていく作業。
罰じゃなくて、コミュニケーション。
服従じゃなくて、理解と協力の関係。
⸻
「この子はダメな犬なんだ」って思わないでほしい
どんな犬でも、今の行動には理由がある。
それは過去の環境かもしれないし、今の接し方かもしれない。
でも、どこかのタイミングで、誰かがその子の本音をちゃんと受け止めてあげることができたら、
その犬は変わる。ちゃんと変われる。
俺も、実際にそういう犬たちと関わってきた。
強くて、大きくて、一見怖そうに見える子ほど、
心の中はガラスみたいに繊細だったりする。

⸻
まとめ
吠える、噛む、引っ張る――
それは、犬が“困った子”なんじゃなくて、
今、助けを求めてるってことかもしれない。
犬を変えようとする前に、
「自分がどう伝えてきたか」を見直す。
それだけで、関係がぐっと変わることもある。
「犬を飼う」って、命を預かること。
信頼も、安心も、丁寧に育てていくものだ。
大きくても、小さくても、犬は犬。
その個性にちゃんと向き合える飼い主でいたい。
――諒史(GARM JAPAN)